投資のためのデータサイエンス

個人の投資活動に役立つデータ分析にまつわる話題を綴ります。

【焦点】ポジティブ思考の重要性(その2)

ストレスが思考の暴走を引き起こす

「ポジティブ思考の重要性(その1)」にも書いたが、殆どの人は自分の思考が自分自身だと思っている。そして頭の中では自動思考が擦り切れたレコードのように何度も何度も湧き上がってくる。特にストレスが強くかかるなどして抑うつ的な状態になると、自動思考の暴走に歯止めがかからなくなり、夜布団に入っても自動思考が止まらずに不眠などの症状が起きてくる。

思考の暴走から抜け出す方法

そのような自分の思考を客観的に観察し、ネガティブ思考をしないようにするにはどうすればいいのであろうか?

(1) 「イジェクト」する

一つは、カセットデッキからカセットテープを取り出すのをイメージして、自分の今の思考を「イジェクト」する(取り出す)。これは米国のメンタルトレーニング教材で教えているイメージトレーニングである。あるいは、下に記した腹式呼吸で自分の中のネガティブなものを全て吐き出すとイメージする。

(2) 「今、ここ」に集中する

あと大切なことは、「いま、ここ」に集中することである。電車の車窓の景色、聞いている音楽、掃除機をかけている動作、などに集中して自動思考を一旦脇におくようにする。腹式呼吸で深呼吸を何回かするのは非常に効果的である。これは「マインド・フルネス瞑想」と関連している。 自動思考が特に危険をもたらすのは自動車の運転中である。私は昔落ち込んでいた時に駐車場からの出庫で安全確認を怠り、衝突事故を起こしてしまったことがある。これはメンタルトレーニングCDを聞きながら運転することによりかなり改善された。

(3) 別途「悩む時間」を設けてその時にとっておく

これはある本に書いてあったが、自分は試したことがない。 何れにせよ、自分にぴったり来る自動思考からの解放方法を身につけることはとても重要である。

根本的解決策は「逃げること」

しかし私の経験からいうと、自動思考が暴走し、抑うつ状態になったら、自分でコントロールすることはまず無理である。その場合はためらわずに臨床心理士/心療内科医/精神科医を受診することをお勧めする。もちろん誰かに話すことで気分がかなり楽になる。私も抑うつ状態になった時父親に話を聞いてもらっていた。しかしメンタルヘルスはその原因・症状・対処法が多様であり、素人のアドバイスや本を読んだだけでは的確な対応は難しい。先日職場のメンタルヘルスをITで対応するビジネスをトライしている人に会ったが、考えが甘すぎる。

とにかく大事なことは「自分の思考は自分自身ではない」ことを自覚することである。自動思考が暴走するのにまかせるのを止め、自分で思考をコントロールできる状態を保つのがメンタル的に健康な状態である。