投資のためのデータサイエンス

個人の投資活動に役立つデータ分析にまつわる話題を綴ります。

もっと知る統計:効用と価格指数

我々が消費をするのは、空腹を満たすとか楽しみを得るといった「効用」を得るためである。

近代経済学においては、物の価値を効用ではかる効用価値説を採用し、消費者の行動は、予算の制約の下で効用を最大にするように消費するとされる。また利潤の最大化を目指す企業部門に対し、家計部門は効用の最大化を目指すものと仮定される」(以上ウィキペディアより引用)。

2つの財の組み合わせを消費する際の効用を図示するツールとして、下図のような「無差別曲線」が用いられる。これは経済学の基礎の基礎なので、ここで改めて説明はしない(図の出典:ウィキペディア)。

無差別曲線

まっとうに考えれば、2つの時点における価格水準の比は、同じ効用を得るために必要な金額の比であるべきである。これは「真の指数」あるいは「効用不変価格指数」と呼ばれる。以下には、コブ・ダグラス型効用関数を仮定した場合の効用と経済指数の関係を記述した。本記述は(文献2)からの引用で、数式展開の一部を独自に補足したものである。

(文献2)中村隆英、新家健精、美添泰人、豊田敬著「経済統計入門」東京大学出版会

効用不変価格指数