投資のためのデータサイエンス

個人の投資活動に役立つデータ分析にまつわる話題を綴ります。

もっと知る統計:マクロ経済モデルにおける回帰(1)

もっと知る統計:マクロ経済モデルにおける回帰(1)

昨日、今年度4月~6月期のGDP速報が発表された。消費税増税にともなう駆け込み需要の反動は当然予想されたが、それを考慮しても消費の低迷は気になるところである(下の図の出典は日経電子版)。

GDP速報Aug14

このGDPの近年のトレンドの分析は他の専門家サイトに譲るとして、ここでは、GDPなどのマクロ経済指標の動きを説明する「マクロ経済モデル」における回帰モデルの特性について整理する。

7月6日の当ブログで「単回帰モデル」の定式化について記述した。そこでは、「説明変数行列Xは非確率的である」という仮定を置いた。実際は、以前に例として取り上げた賃貸マンション家賃の予測式での説明変数である「駅から徒歩分」「築年数」も確率的に変動することは確かである。しかし実務的には、ほとんどの場合にXは非確率的であるという仮定に基づく分析を行う。

しかし、Xは非確率的とは仮定できない場合もある。その一つが、以下で述べるマクロ経済モデルにおける回帰である(今回はその前段階)。尚、以下の記述は(文献5)に若干補足を加えたものである。

(文献5)浅野皙,中村二朗「計量経済学有斐閣

非確率的回帰1