投資のためのデータサイエンス

個人の投資活動に役立つデータ分析にまつわる話題を綴ります。

新電力乗換による電気代の節減

電力の小売全面自由化が始まって1年余りが経過した。私はこの関連業界で働いていたので電力の規制緩和は仕組みや海外事例などまでよく知っていた。そのため昨年4月に迷うことなく大手新電力に変更した。

下の表は我が家の電気代の変化である。各月についてデータ数は1~2だが、我が家ではリフォームしてから家電機器の大きな変更はなく、同じ月の電気代の変動要因はほとんど気温と見られ、それほど大きいものではない。巷では格安スマホに変える人を多く見かけるが、ショートメールしか使えないなど一部で不便になる。新電力への乗換はサービス内容に何も変化がない中で電気代は月2,800円弱、年間で3万3千円ほど下がった。

日本の一般家庭でこの一年で新電力へ切り替えたのは4.1%しかない。これは一つには「停電が増えるなど供給品質が下がるのではないか」という不安があると思われる。しかし電力の品質は送配電で決まり、この部門は引き続き電力会社が独占的に運営している。受給逼迫は需要側が気にすることではないが、供給側は需要に見合った供給力を常に用意しなければならない。中小の新電力では電力取引でビジネスをしているため、需要超過になると卸売市場から高い電力を調達する必要が生じる場合もあるだろう。しかし大手の新電力は自前の発電設備を十分持っているので、卸売市場に頼る必要はほとんどないと見られる。

業界サイドから見ると原子力発電の問題などいろいろと込み入った事情があるが、一需要家としては新電力への乗換はお得以外の何ものでもない。