ここ最近、スマートフォンやタブレット端末がもたらすIT革命に関するビデオ講演を何回か繰り返し見た。
特に地方の農業でシニアの方々がタブレットを使って楽しそうに業務を行っている事例(徳島の「いろどり」)が印象的であった。
確かにその講演で言及されていたように、「ITはオフィスで使うもの」という20世紀的固定観念を捨て去ることが重要だと思った。
そこで、スマートフォンをデータ読み解きの視点から概観してみた。
(1) スマートフォンの市場動向
スマートフォン市場の動向に関しては、こちらの記事が包括的で興味深い。
この中で特に注目したいのは、契約数推移及びメーカー別出荷台数比率である。
国内での商品・サービスの市場は全体的には大きな伸びが期待できない中で、スマホはここ数年は右肩上がりで伸びる予測になっている。当方がお会いした個人起業家の多くがスマホ用サイト開発に特化しているのもうなずける。
メーカ別シェアで個人的に目に付くのは、当方が持っているスマホメーカSamsungの凋落である。アップルがイノベーティブな製品で消費者を惹きつけるのに対して、フォロワーのサムスンはその最大の強みであった価格で中国メーカなどに負けているのが最大の理由のようである。
これはネットを検索すればすぐわかるように、スマホやタブレットの普及により、より多量・広範囲のビッグデータが収集されるようになってきている。これまで市場調査といえば、まず調査の目的が明確にあり、それに沿ってデータを収集して、分析する、というのが基本であったが、ビッグデータ時代には大量のデータがすでにあり、それをいかに活用するかがキーポイントである。もちろん「ゴミを分析してもゴミしか出てこない」という事は常にあるが、近年のビッグデータは利活用を意識して収集されている面も強い。
データ解析(マイニング)スキルを持ち、経営課題とその解決に役立つビッグデータが利用可能な人にとっては非常にチャレンジングな仕事ができるチャンスが多い時代になってきたということであろう。