投資のためのデータサイエンス

個人の投資活動に役立つデータ分析にまつわる話題を綴ります。

地方のベンチマーキング:新潟を訪問して

地方のベンチマーキング:新潟を訪問して

所用で新潟市を訪問した。新潟県にはスキーや出張で何度か行ったことがあったが、新潟市は初めてである。新幹線で新潟駅に降り着いたらやはり暑かった。

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都道府県を様々な角度から定量的に評価する指標は色々とあるが、内容的に充実しているのは、寺島実郎氏が理事長を務める(一財)日本総合研究所が最近実施し始めた「47都道府県幸福度ランキング」である(文献G2)。これは外からの訪問よりもその地域で生活する、という視点から様々な評価尺度を用いており、それらから単一の総合指標を作成して、都道府県のランキングを行っている。

2013年版のランキングによれば、上位3位は「福井県」「東京都」「長野県」である。新潟県は32と比較的下位である。同じ北越地域でも福井県1位、富山県5位、石川県6位に比べて新潟県はかなり低い。個別指標では、余暇時間1位であるが、平均歩数44位、スポーツの活動時間数43位などが課題として挙げられている。

このレポートにも述べられているが、このような指標を作成する目的は単に地域を序列づけするのではなく、各地域が改善すべき点を洗い出し、より住みやすい地域とするための施策作りに役立てることが主眼である。すなわちこれは都道府県のベンチマーキングである。

ところで、近年当方は東北の地方都市に何回か行く機会があったが、街を歩いていて、何か活気に乏しい、寂れた感が否めなかった。新潟市政令指定都市でもあり、それまで訪問した東北の都市のような感じは受けなかったが、やはり自分が住んでいる首都圏とは活力の違いのようなものがある。多分、高度成長期に日本の主要都市は地域の独自性を過剰に排除してみな同じような都市化がなされたが、ここへきてそれらに衰退の影がさしている、ということではないだろうか。

(文献G2)寺島実郎監修、(一財)日本総合研究所編、「2014年版 全47都道府県幸福度ランキング」東洋経済新報社