もっと知る統計:単回帰モデルの定式化(1)
前回の記事で、下記の賃貸マンション適正家賃予測式の推定結果を紹介した。
ここでは、まず(偏)回帰係数の求め方について整理する。とりあえず基本となる、説明変数が1個だけの「単回帰分析」の場合を扱う。説明変数が2つ以上の「重回帰分析」は単回帰分析の場合の自然な拡張であるが、行列を用いた記述が必要である。
尚、回帰分析の定式化には、Σ(i番目の観測値-算術平均)^2という形式が頻繁に登場する。この「変動平方和」(特にその分解)は、分散分析の基本要素であるが、回帰分析を理解する上でも非常に重要である(回帰分析と分散分析は親戚関係のようなものであるため)。尚、以下の記述は(文献5)の記述を基本とし、詳細を本稿で補っている。