ワールドカップの得点分布(3)：ブラジル大会
ワールドカップブラジル大会のグループリーグが終了した。アジア勢は一試合も勝てなかったという厳しさだった。
それではゴール数の分布, 平均, 適合度検定の結果を見てみよう。
平均ゴール数は南ア大会の1.052から1.417へと増加した。何と前回ブログで計算した95%信頼区間(0.847,1.257)をかなり外れてしまった。これは「南ア大会とブラジル大会の期待ゴール数が等しい」という帰無仮説が棄却されたことを意味する。サッカーの細かい戦術を知らない素人ファンにとっては得点がより入る方が面白いので、今回はより楽しめたのではないか。カイ二乗への適合度は南ア大会ほどではないがやはりかなりよく適合している。
もちろん、各チームの各試合における期待ゴール数が同じという仮定は現実的ではなく、実務上は前に紹介したゴールドマンサックス社のレポートのように、ポアソンパラメータを他の要因で説明するモデルを当てはめる、といった分析がなされることが多いであろう。
