以前の専門ブログで、賃貸マンションの家賃の決定要因についての分析を行った。その事例を用いて解説する。 賃貸マンションの平米あたりの月極め家賃は、駅から徒歩分数, 築年数に依存して変動する。各要因が家賃に線形に影響を及ぼすとすると、以下のように書ける。
より一般的に説明変数をp個として、n個の個体(ケース)についてのデータが得られているとする。 i番目の個体についての被説明変数は、説明変数はである。以下の構造式を考える。
ただしは互いに独立に正規分布にしたがう。残差平方和
を最小にするを求めるために、をそれぞれで偏微分した式を0と置くと、に関するp+1次元連立一次方程式
を得る。最小二乗解は、
である。yの総変動の分解は単回帰と同様に、
となる。ここでの回帰係数は「偏回帰係数」とも呼ばれ、「他の説明変数の値を固定したとき、j番目の説明変数を1単位増やしたら、被説明変数の値がどれだけ増えるか」を表す。